私がアメリカはノース・カロライナ州に住んでいた頃、自分が日本から来たと言うと、本当に多くの人からよく言われたものです。
How did you end up in North Carolina of all places??
ここで注目したいのは、最後のof all placesというところ。
辞書では「場所もあろうに」「所もあろうに」と出てきますが、果たしてこれはどういう意味なのでしょう?
ofを「~の」、all placesを「すべての場所」と取るなら、North Carolina of all placesは「すべての場所のノース・カロライナ」。
もっと言えば、
「ほかの全ての場所の中のノース・カロライナ」
↓
「ほかにも色んな場所がある中でノース・カロライナ」
つまり↓
「世界中にはほかにも色々な場所があるのに、よりによって(...というと失礼ですが)ノース・カロライナ」
となるのです。
of all placesをつけることによって、そこがすぐに思いつく場所ではないこと、「なんでそこなの!?」という思いが加わる便利な表現です。
こう聞かれると、聞かれた側も文面からだけではわからない隠された気持ちや意図を汲み取らなければなりません。
まず、この話し手が
- North Carolinaという場所があんまり有名な場所であると思っていないということ
- その上で、そこに日本という外国からはるばるやって来たということを不思議に思っているということ
- 1~2の上でも既に来ているということには、何か自分が知らないすごい理由でもあるのかもしれないとちょっと期待もしているかもしれないということ
私がパッと思いつくのはこのくらいですが、なんにせよ、話し手はこちらの身の上話に興味を持ってくれているのですから、「さぁ...」とか「別に...」というような回答ではなく「どうしてそうなった」というわけをきちんと答えてあげる方が相手の期待にそえるコミュニケーションと言えるのではないかと思います。
of all placesのようにちょっとした表現から、かなり相手の感情を推測できるものです。
英語でのコミュニケーションでも日本語と同じように、言われていない部分を察するのが大切になってきます。